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腹膜透析

腹膜透析(PD)とは

腎臓の働きの内、血液のろ過機能を代用するものです。お腹の中に透析液を一定時間いれておくと、腹膜を介して血液中の余分な水分や老廃物が透析液側に移動します。その老廃物や水分を含んだ透析液を身体の外に出すことで血液をきれいにします。

PDシステムの基本構成
腹膜透析中腹膜透析中

腹膜透析(PD)には寝ている間に器械を使って自動的に行う方法(APD)と、日中に4~12時間ごとに行う(1回の治療は30分程度)方法(CAPD)があります。

CARDとARD

腹膜透析(PD)は血液透析(HD)に比べて残存腎機能が比較的長期間、保持されるというメリットを有していることから、最近、腹膜透析(PD)から透析の導入を行う腹膜透析(PD)ファーストという考え方が提案されています。

腹膜透析(PD)の問題点

感染リスク
カテ-テル出口部感染、腹膜炎など感染リスクがある
人工物(透析液など)への生体反応
透析液に含まれるグルコースの代謝産物は腹膜硬化症の原因になる
低栄養
アミノ酸を主体とする栄養素の喪失

腹膜透析(PD)成功の秘訣

・絶対に出口部感染症を起こさない。
・絶対に腹膜炎を起こさない。
・そのために、まず、清潔不潔の概念を明確に持つ。
以上でCAPDは90%成功である。

カテーテルケア
 CARDの止め時が難しい

昨年10月に10年間お世話になったCAPDとお別れをした。
週一回のHDと併用していただいていたが、10年もCAPDをしていればさぞかし腹膜も傷んでいるだろうと思い「止め時だなぁ」と考えていた矢先、カテーテル・トンネル感染を発症してしまった。一時は、感染したトンネル部分の変更手術をしていただいたが、感染した菌が良くなかったらしく二次感染を起こしてしまいカテーテルを抜くこととなった。腹膜が劣化してしまうといざ腹膜透析を辞めようと決断してもダイヤ二―ル(透析液)をお腹に貯留しなくてもジワジワと腹水が溜まってくるため、安易にカテーテルを抜いてしまうと注射針を直接お腹に穿刺し、腹水を抜くことになるので止めることが決まって血液透析に移行してもしばらくは、毎日1回腹膜をダイヤ二―ル(透析液)で洗浄し、腹水が出なくなった時点でカテーテルを抜くのが望ましいことを今回の入院で知った。

お恥ずかしい話だが、CAPDを止めてみて考えさせられたのは、「透析導入しましょう」と宣告を受けた時、ほとんどの人はまだ尿量はたくさん出ているが、血液透析を導入すると半年くらいで尿量が減少してしまう(人による)。CAPDを選択した場合5年程度(人による)は尿量が比較的維持でき体重管理が楽なことと、血液透析に比べると通院回数が少ないためQOLの向上が望める。しかし、ここで考えなければならないのは、はじめからCAPDは長期間できないことと止め時を決めないと腹膜硬化症等の心配までもしなければならなくなる。
従ってこれから透析導入を宣告されCAPDを導入しても5年間は、体重管理が楽な内に仕事のこと、生活のことを考えるゴールデンタイムだと計画し、スムーズに血液透析に移行することが必要だと考えさせられた。勿論、生体腎移植が可能ならその選択もある。