年頭あいさつ


仲間と共に刻んだ30年の軌跡とこれから歩む活動の方向

東腎協会長 渡邉 忠志

 21世紀3年目に入りますが社会の状況は益々厳しく、継続的に医療、福祉の逓減と相対せざるを得ません。昨年は年明けと共に診療報酬の引下げという厳しい問題に直面しました。新年の夢も萎みがちですが、明日への光を求めて元気よく新しい年にチヤレンジしようではありませんか。
 
 昨年は、また東腎協結成30周年という大イベントの年でした。会員皆様、関係各位皆様のご協力とご理解により、すべての事業を遂行することができました。心よりお礼を申し上げます。
 
 会員の皆様のお手元に東腎協30年の活動を収録した『あゆみ』をお届けしましたが、是非お読みになって東腎協の活動についてご理解を深めて頂きたいと念じております。諸先輩の活動を顧みますと感動と感謝につきます。
 
 また、今日の透析医療の高度化を考えてみますと、その進歩が歴然と見られます。改めて諸先輩の活動の軌跡に敬意を深めるものです。その活動を引継ぎ、新しい透析医療の改革を求める活動を展開する重要度を念頭におきながら、今年の活動をしたいと考えております。
 
 石原都政下で始まった福祉切り下げから3年目を迎える今日、国は財政改革を政策として医療保険制度の改悪案を次々に打ち上げ、弱者である難病障害者に強烈な痛みと負担を求めてきました。昨年は私たちに直接自己負担を求める手段として、診療報酬の改悪を押しつけてきました。詳しいことは省略しますが、現に、厳しい状況下に置かれ、これからも私たちはなにを求められるのか、頭の痛いこの頃であります。
 
 現在、全国の透析患者22万人のうち約10万人の患者の皆さんが10年以下の透析歴で、年齢を見ますと65歳以上と実態調査が示しています。このような高齢化の結果が、会員としての仲間が増えない理由の一つになっているかもしれません。
 
 この点を踏まえて、今年度の東腎協の活動方向として、@都内にいる2万3000人の透析患者の仲間が患者会に入会するための活動を進めること、Aさらに高齢者会員の生きる喜びを求める活動の充実を図ること、Bみんなが楽しめる企画や、合併症に対する情報の交換の場、また医療に関する相談の場を広げたいと思います。「会員の皆さんが頼れる東腎協」、そして「生きる喜びを感じる東腎協」を、活動目標の柱にしたいと考えております。
 
 あまり夢も希望もないご挨拶になりましたが、夢と希望は会員の皆様と共に作り出すものと思います。今年も会員の皆さんと目線を一つにし、基本的に守らなければならない問題については、東腎協の組織を上げて活動する所存です。私たち役員一同、心新たに東腎協30年の活動の軌跡を踏まえ、諸問題に取り組んでいきます。会員皆様のご協力を切にお願い致しまして年頭のご挨拶と致します。

東腎協 2003年1月21日 No.146


最終更新日 2003年5月24日
作成:MINATO